万馬券が的中するのは嬉しいですが、 同時に考えなくてはならないのが税金です。
「税金を支払うのがもったいない」
「バレないだろう」
という気持ちで申告を放っておくと、税務署からのペナルティを受ける場合があります。
そうならないためにも、利益や税金についてしっかり把握しておくことが大切です。
そこで今回は、万馬券が的中した時にかかる税金の計算方法や確定申告の仕方、申告をしないとどのようなペナルティを受けるのかについて解説いたします。
目次 [非表示]
50万円以下の利益には税金はかからない
税金を払わないとどうなる?
追徴課税というペナルティの可能性
実際に税金を払わなかったケースはこちら
競馬での税金がバレる理由とは?
馬券の買い方で税金が変わる!
一般的な馬券の買い方(一時所得)
投資家の馬券の買い方(雑所得)
馬券で払戻金があった時の申告方法とは?
払い戻しのあったレースをメモしておく
一時所得の金額を計算する
確定申告書類を作成する
まとめ
50万円以下の利益には税金はかからない
競馬 三連単 100万馬券
「全ての馬券の利益に税金がかかる」と勘違いする方が多いようですが、50万円以下の利益には税金はかかりません。
そのため万馬券を獲得したからといって、必ず税金を支払う必要があるわけではないのです。
年間合わせて50万円以上の利益を出した方が課税対象となるので、万馬券をいくつも的中する方や、一撃必殺で100万円を超えるような配当を手にした方は対象となるでしょう。
税金を払わないとどうなる?
年間50万円以上の利益を出した方が課税対象とご紹介しましたが、50万円以上の利益を出していても把握できていない場合があります。
その場合、税金を払わないでいるとどうなってしまうのか、実際にあったケースと合わせてご紹介いたします。
追徴課税というペナルティの可能性
税金の支払い義務があるにも関わらず納税をしていないと「無申告加算税」という追徴課税があるのです。
この無申告加算税は、納付するべき税額に対して金額が決まっています。
納付するべき税額が50万円以下なら15%、50万円以上なら20%というものです。
ここで具体的な金額を上げてみましょう。
例えば支払う所得税が120万円だった場合、
50万円×15%=7.5万円
70万円×20%=14万円
この場合、無申告加算税は①+②で21.5万円も支払うことになってしまいます。
さらに納付を期限を過ぎてしまうと「延滞税」も合わせて取られることになってしまうのです。
そのまま放っておくことで資産の差し押さえや刑事責任を問われることにもなりかねませんので、税金の支払い義務が発生した場合には早めに納付しましょう。
実際に税金を払わなかったケースはこちら
馬券 競馬新聞
実際に、万馬券で得た利益を申告しなかったとして刑事責任が問われることになった裁判がありました。
この裁判は「馬券裁判」と呼ばれ、競馬ファンから注目されることとなったのです。
この裁判の概要は以下のとおりです。
被告人は投資家の男性。2007〜2009年の3年間の払戻金を確定申告していなかったことが発覚したのです。
3年間の払い戻し金は30億1000万円に上りました。
国税庁は当たり馬券の購入費のみが経費に当たるとして、払戻金から当たり馬券の購入費を引いた額の28億7000万円に課税することとしました。
しかし男性は外れ馬券の購入費も経費に当たると主張し、争いました。
結果的には男性の主張が認められる形になりましたが、2016年にも同じような裁判が行われたため、今後もこのような内容の裁判は行われるのではないかとされています。
この男性は「払戻金を申告する必要があったことを知らなかった」と語っていたため、競馬での払戻金に対する税金の知識は競馬ファンに必要だと言えるでしょう。
競馬での税金がバレる理由とは?
馬券の束
「一般的な競馬ファンであれば、税金を払わなくてもバレることはない」と言われています。
では、これまでに税金がバレてしまった人は、どのような理由でバレてしまったのでしょうか。
主な理由は以下の2つです。
テレビやSNSで取り上げられる
銀行口座への多額の入金
特に高額配当を当てた時には新聞やテレビなどのメディアに取り上げられてしまい、注目されることとなります。
そのような状況になった際には注意しましょう。
馬券の買い方で税金が変わる!
この裁判をきっかけに、あまり知られていなかった競馬と税金の関係がわかりやすく解説されることとなりました。
馬券の買い方で税金が変わってくるため、自分が普段どのような買い方をしているのか、その場合の税金の計算方法についてきちんと把握しておくようにしましょう。
ここでは「一般的な馬券の買い方」「投資家の馬券の買い方」の2つについて解説いたします。
一般的な馬券の買い方(一時所得)
一般的な競馬ファンが当てはまる馬券の買い方は「一時所得」といわれるものです。
自分が好きな馬の馬券を買ったり、テレビの解説を参考に馬券を買ったりする買い方のことで、ほとんどの競馬ファンがこの買い方に当てはまります。
申告するのは年間の払戻金が50万円を超えた場合です。
普段から払戻金をメモしておく癖をつけ、申告する必要があるかどうか把握しておきましょう。
投資家の馬券の買い方(雑所得)
競馬 払戻し
馬券の買い方は一時所得だけではなく「雑所得」と認められることがあります。
この場合は一般的な競馬ファンのような買い方ではなく、利益を追求するために継続して馬券を購入している場合です。
馬券裁判で話題になった男性もこの投資家のような買い方をしていたため、雑所得として認められました。
雑所得と認められた場合の計算方法は以下のとおりです。
収入ー経費=税金対象額
収入とは払戻金、経費とは馬券の購入金額を指します。
馬券で払戻金があった時の申告方法とは?
「1年間で馬券がどのくらい的中するか?」なんて誰にもわかりません。
そのため確定申告の時期に困らないよう、普段からきちんと払戻金や税金について意識しておくことが大切です。
競馬をしっかり楽しむために覚えておきたい、払戻金の申告方法についてまとめてみました。
ぜひ参考にしてみてください。
払い戻しのあったレースをメモしておく
競馬 パドックビジョン
まず初めに、払戻金があった場合にはノートなどにメモしておく習慣をつけましょう。
年間の払戻金が50万円以上あり確定申告をする際に必要になりますので、万馬券を手にした際には必ずメモしておきましょう。
このときメモしておきたい内容は以下の3つです。
開催日・競馬場名・レース
払戻金にかかる受取額
払戻金にかかる投票額
国税庁HPで集計用のフォーマットが用意されているので使ってみるのもおすすめです。
払戻金にかかる投票額がわからない場合には、受取額とオッズなどから計算しましょう。
一時所得の金額を計算する
先ほどもご紹介したとおり、ほとんどの競馬ファンの馬券の買い方は一時所得として認められます。
そして、この払戻金にかかる一時所得の金額は、計算で求めることができるのです。
以下の4つの項目通りに計算しましょう。
払戻金にかかる年間受取額を計算する
払戻金にかかる年間投票額を計算する
①ー②ー50万円した金額を計算する
③×1/2した金額を計算する
※④で出た金額がマイナスだった場合は確定申告の必要はありません。
確定申告書類を作成する
最後に、これまでの計算で出た数字を使って確定申告書類を作成します。
確定申告書類は国税庁のHPからアクセスすると作成することができます。
また、馬券以外にも副業などで収入がある方はFreeeなどの会計ソフトを使うとスムーズに書類を作成できるのでおすすめです。
不安なことがあれば最寄りの税務署で相談できるため、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は、万馬券が的中した時にかかる税金の計算方法や確定申告の仕方、申告をしないとどのようなペナルティを受けるのかについて解説しました。
馬券が的中した場合、きちんと申告をしないと以下のようなペナルティが課せられる可能性があります。
追加課税
資産の差し押さえ
刑事責任を問われる
「申告しなくてもバレないのでは」という声もありますが、万が一バレてしまった場合にはこのようなペナルティを受けるリスクがあります。
年間50万円以上の払戻金があった場合には、しっかり確定申告をしましょう。
税金の計算方法や確定申告の方法について詳しく解説しましたので、万馬券を的中させた方はぜひ参考にしてみてください。