競馬の障害レースは荒れる?予想を見極めるためのヒント

競馬の障害レースでは、コース上に生垣などの障害物が置かれています。

馬はそれを飛び越えつつゴールを目指すわけですが、通常のレースと違ってそこに「荒れる材料」があるのです。

馬術競技でも障害飛越競技というものはありますが、障害レースで飛び越えるという行為自体は評価される要素ではありません。

シンプルに、ゴールした順番で順位が付されることになるものです。

そして、どうしても飛び越える際に馬が転んだり騎手が落ちてしまったりすることが起こり得ます。

この記事では平場を走るレースと勝手が異なる障害レースを予想する上で通常の競馬と異なるポイント、馬券の買い方などをくわしくご紹介します。

目次 [非表示]

障害レースの独自性
コースについて
障害について
【生垣】
【竹柵】
【水濠】
【坂路】
【バンケット】
【グリーンウォール】
障害レースの荒れる要素
障害レースの予想で注意すべきポイント
まとめ
障害レースの独自性
コース上に障害があるというだけでも、障害レースは平場でのレースと比べて違っています。

まず予想をする前に、障害レースのコースや障害物の知識を入れることが重要です。

その違いについて、改めて頭に入れておきましょう。

コースについて
競馬 障害レース

障害レースは、すべての競馬場において実施されているわけではありません。

中山競馬場
東京競馬場
阪神競馬場
京都競馬場
小倉競馬場
中京競馬場
新潟競馬場
福島競馬場
という8ヶ所で、開催されています。

障害レースを行うために専用のコースを設けている競馬場は、以下の通りです。

中山競馬場
東京競馬場
阪神競馬場
京都競馬場
小倉競馬場
障害について
障害レースに使われている障害に関しては、いくつかの種類があります。

おもなものについて、ご紹介しましょう。

下記に紹介するのは、全ての競馬場で使用されているわけではありません。

そのため、設置している競馬場をしっかり把握して、予想のときは頭に入れておくことが重要になるでしょう。

【生垣】
競馬 障害レース 生垣

生垣は障害レースにおける障害として、もっともスタンダードなものとなっています。

その名の通り生け垣であり、土台の上に生垣があり馬にとってはかき分けるかたちで飛び越えるものです。

もっともよく知られているものは「赤レンガ」と呼ばれる中山競馬場の生垣であり、土台のモチーフがレンガになっています。

この赤レンガは「大生垣」と呼ばれるものでありほかに東京競馬場、京都競馬場で開催される障害重賞も含めて使用される障害は通常の生垣より大きな大生垣です。

大生垣の幅は2.0メートルから2.9メートル、高さは1.5メートルから1.6メートルとなっています。

通常の生垣は幅が1.6メートルから2.4メートル、高さが1.4メートルですから明らかにひとまわり大きなサイズです。

【竹柵】
競馬 障害レース 竹柵

竹柵は土台の上に逆立てられた竹柵がある障害であり、馬にとってはかき分けることが難しいため生垣障害よりもジャンプ力が要求されることになります。

中山競馬場、東京競馬場で開催される障害重賞に限ってはより大きな「大竹柵」が使用されていて中山競馬場のものは幅が2.05メートルで高さは1.6メートルです。

東京競馬場のものは幅が1.65メートル、高さは1.5メートルとなっていますが、通常は幅が1.45メートルから1.8メートル、高さは1.2メートルから1.4メートルです。

【水濠】
競馬 障害レース 水濠

水濠は、障害用の周回コースに対してひとつが設置されています。

生垣と「セット」になっているかたちであり、飛び越える側に生垣がありその後に水濠があるという組み合わせです。

せっかく生垣をうまく飛び越えても馬の後肢が水濠に入ってしまうと体勢が崩れてしまうため、荒れる要素となりかねません。

幅は生垣とあわせたサイズで3.7メートルから4.0メートル、高さは生垣の部分で1.2メートル以下です。

【坂路】
競馬 坂

坂路は調教のコースにもありますが、勾配が急になっていて障害として人為的に造られているケースもあるものです。

小倉競馬場と福島競馬場には「山型」の坂路があり、登ってから降りるようになっています。

中山競馬場では逆に降りてから登る「谷型」の坂路が3つあり、元々の地形が活かされているものです。

サイズは、次のようになっています。

山型:長さ約80メートル/高低差約3メートル
谷型1号坂路:長さ78メートル/高低差3.57メートル
谷型2号坂路:長さ113メートル/高低差5.3メートル
谷型3号坂路:長さ92メートル/高低差4.74メートル
【バンケット】
競馬 障害レース バンケット

バンケットはジャンプして上に乗り、その上を走ってから飛び降りるというかたちの障害です。

京都競馬場の障害重賞でだけ用いられているものであり幅は15.9メートル、高さは0.8メートルとなっています。

【グリーンウォール】
競馬 障害レース グリーンウォール

グリーンウォールはサイズも形も竹柵とほぼ変わらない障害であり東京競馬場と阪神競馬場、福島競馬場にあります。

ただ人工の素材から作られているため、馬にとってはかき分けにくいものです。

障害レースの荒れる要素
競馬 障害 シングンマイケル

「障害」と一口に言っても、各競馬場に設置されている障害は種類も大きさもさまざまです。

競走馬はデリケートなものですから、コース上の障害が少し違っていても走りに影響を受ける可能性があります。

そこがレースの荒れる要素となり、予想を難しくするのです。

コースの特徴は一通り頭に入れておき、類似性の高いコースや障害をうまく走っていた馬に注目してみましょう。

また、障害レースには馬が転んだりジョッキーが落馬したりするリスクがどうしてもあります。

そのため、高速にならず安全性を確保する必要があるのです。

そこでレースの距離は4,000メートル級など平場と比べて長く設定されているものが多くありますから、馬の距離適性についても考慮しなければなりません。

同様に安全を担保する目的で、58キロから64キロ程度といったように平場のレースと比較して騎手は重い斤量を背負っています。

障害レースの予想で注意すべきポイント
競馬 落馬

大前提として、障害レースは「落馬」というアクシデントと表裏一体であることを考えなければなりません。

落馬はもっとも荒れる要素ですが、落馬がなければ全体的にスローペースということもあり前評判が大きく崩れると考えにくいところもあります。

極論、人気の本命馬がそのまま勝つか、実力馬の落馬で荒れるかと言うこともできるでしょう。

予想にあたってはレースの距離が長いことを単純に考えると、長距離に適性がある馬へ投票したくなるのではないでしょうか。ただ、安易な決断はいけません。

障害レースでは、障害を飛び越えるというアクションに馬の力を使うことになります。

平場のレースと同じように高速のスピードを維持するという性質のものではなく、障害に対する瞬発力が必要とされるのです。

つまり、実は出走する馬には短距離適性が求められます。

それとともに気性についても焦れ込みすぎず、落ち着いて瞬間で集中力を発揮することが理想です。

また、騎手に関しても障害レースで用いられる「障害鞍」で騎乗することには技術が求められます。

総じて、多くのレースをこなしてきたベテランが障害レースを得意としている傾向です。

まとめ
平場で開催されるレースと異なり、競馬の障害レースは競走馬がコース上に設置されている障害を飛び越えながらゴールを目指すものです。

障害があることによって転倒や落馬といったリスクがあり、思わぬ馬のアクシデントがレースの荒れる大きな要素となります。

リスクを軽減するために距離が長く設定されている、騎手が重い斤量を背負うといったことも平場でのレースと違っている点です。

距離が長いからと言って長距離の適性が求められるわけではなく、スローペースで障害に対して瞬発力を発揮するといったように馬の適性をしっかり見極めなければなりません。